個人のふりかえりの質を高めて経験値あたりのレベルアップ量を増やす

個人のふりかえりの質を高めて経験値あたりのレベルアップ量を増やす

Clock Icon2022.02.28

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こんにちわ。従業員体験( EX )  の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員体験において、成長の要素は欠かせません。今回は、自分自身の成長を強化するツールとしての、個人のふりかえりについてまとめます。

個人のふりかえり

昨今、プロダクト開発やチームで KPT 等のふりかえりを行う現場が増えていることかと思います。
一方で、本人が1人の取り組みをしていく中で行う個人のふりかえりも存在します。
この記事における個人のふりかえり
  • 立ち止まってふりかえる機会を作ること
  • 上手くいったことの影響をより大きくすること
  • 上手くいかなかったことを解決することで改善すること
のことです。
これらを実施した結果、同じ経験をした場合でもふりかえりをしない場合よりも大きく能力を伸ばすことができます。つまり、「同じ経験値を得た際に、より多くレベルアップができる秘伝の書」が個人のふりかえりということになります。

個人のふりかえり方法

個人のふりかえりの初手としておすすめなのは
  1. 週に1回ふりかえりのタイミングを用意する
  2. もっともうまくいったことの概念化を試みる
  3. もっともうまくいかなかったことの解決を試みる
ということを繰り返すことです。
細かなものを大量にやろうとして中途半端になるよりも、少ない時間でインパクトが大きな部分に集中できます。
この手法はコルブの経験学習を参考にしています。
2, 3 の詳細な手順についてはこのあと説明します。

ふりかえりの参考文献

ふりかえり方法には様々なものがありますので、これはあくまで1例です。
ふりかえりについて気になったら、自分にあうものを調べてみてください。
このあたりにアンテナをはっておくと豊富に情報があります。

成功の拡大

成功の効果を拡大する際の手順は以下です。
  1. ふりかえるタイミングを用意してください
  2. やったことを洗い出してください
  3. うまくいったことを選択してください
  4. もっともうまくいったことを選択してください
  5. うまくいったことが概念化できるか考えてください
  6. 概念が実際に広く適用できるか、試す機会を作ってください
  7. 概念を試してください
  8. 概念を試した結果を確認してください
ここでの概念化とは、個別の状況で経験した出来事をより広い範囲で適用できるような概念にすることです。
例えば、プログラミングにおける「パターン」は概念化されたものの典型です。設計をパターンにすることで、広く適用することが可能になります。

問題の解決

失敗を解決する際の手順は以下です。
  1. ふりかえるタイミングを用意してください
  2. やったことを洗い出してください
  3. うまくいかなかったことを選択してください
  4. もっともうまくいかなかったことを選択してください
  5. 理想と現実の差を整理してください
  6. なぜうまくいかなかったかを分析してください
  7. 解決方法を考えてください
  8. 解決方法を実行にうつす計画を立ててください
  9. 解決方法を実行してください
  10. 解決方法の実行結果が「理想」に到達したか確認してください
例えば、率直な物言いをした結果、仕事で関わる相手を怒らせてしまったとします。発言をどう解釈するかは、人によってことなり、特にネガティブなニュアンスを込めてないつもりでも、相手を刺激する場合があります。この場合、例えば
  • リフレーム - ポジティブな単語に置き換えて同じ意味のことを伝える
  • 関係構築 - 先に相手との関係性を良好にしてから再チャレンジする
  • 信頼活用 - 先に相手の役に立つことをしてからこちらの伝えたいことを伝える
というような解決策の中からうまくいきそうなものから順に試し、最終的に問題を解決するまで続けます。
問題解決について補足します。
問題理想と現実のギャップから起こります。問題は1〜複数の要因によって起こります。問題を解決するには解決策が必要です。シンプルな問題であれば、明らかな解決策1つよいでしょうし、複雑な問題であれば、複数の解決策の案をだした上で、一番成功しそうなものから試すことになるでしょう。解決策は、実行に移す際に複数のアクションからなります。
解決策のアクションを想定通りに実施し、仮説が的中していれば、結果は理想状態になり問題は解決です。

副次効果

人間は意識していないと物事を直感的に、短時間で物事を判断しがちです。直感は経験済みで解決策がすでに分かっている対象に対しては効率が良いのですが、初めて出会う複雑な問題を扱うには向いていません。直感で考えると人はバイアスに流されやすかったり、問題を整理する前に解決策に思考を飛躍させてしまいがちです。原因がわからない状態で解決策を検討したところで博打でしかありません。
個人のふりかえりで繰り返し熟考するようになると、必要な場面で熟考できるようになってきます。また、概念化になれてくると、目の前の1事象だけを考えるのではなく、
  • 問題の影響範囲
  • ノウハウ化して広く改善すること
などを思いつきやすくなります。

まとめ

個人のふりかえりについてまとめました。ふりかえりを試した際に、実際に効果がでている部分までを確認するとその価値を実感しやすく、ふりかえりの取り組みを継続しやすくなります。その意味で、初期はわかりやすく改善につながるトピックを選び、ふりかえりが成功した実感を高めることができるとよいでしょう。

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